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DAVID BOWIE is 〜プレミアム・トークショー 第一回 鋤田正義氏・立川直樹氏対談 最速レポートをお届けします!

『DAVID BOWIE Is』開催を記念してのトーク・イベント「DAVID BOWIE is ~ プレミアム・トークショー」を見てきた。第一回のこの日は、鋤田正義氏と立川直樹氏の対談である。

 

言うまでもなく鋤田氏は『ヒーローズ』のジャケットを始め、ボウイを40年間にわたって撮り続けた、ボウイ・ファンなら知らない者はいないであろう写真家。立川氏は音楽、映画、アートなど幅広い分野で活躍するプロデューサーであり、私にとっては、初期ピンク・フロイドなどで健筆を振るっておられた音楽評論家の大先輩でもある。

 

立川氏が鋤田氏の写真展のプロデュースを何度も手がけている関係もあり、2人は古くからの盟友である。モニターに映された鋤田氏撮影の写真などを見ながら、トークはリラックスした雰囲気で進んだ。

 

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会話は、若いころはロバート・キャパやユージン・スミスといった社会派のフォトグラファーを志していた鋤田氏がいかに音楽関係の写真を撮るようになったか、という話から始まった。生前のジミ・ヘンドリックスを撮ったときのエピソード、鋤田氏の名前を一躍知らしめることになったT・レックスのマーク・ボラン、そしてボウイを撮ることになったきっかけ、そして実際のフォト・セッションで目の当たりにしたボウイの魅力。60年代のカウンター・カルチャーの流れから、ボウイやボランなどロック・ミュージシャンを撮るようになったのは自然なことであり、当時はまだ社会的に十分に認知されていたとは言いがたいロックの写真を低いレベルで捉えられたくない、という思いでやっていたことなどが訥々とした口調で語られる。間違いなく世界レベルで見てもアート・フォームとしてのロック写真を確立した1人が鋤田氏であり、その最良のパートナーがボウイだったのだと改めて認識した。

 

1972年に始まった鋤田氏とボウイのフォト・セッションは40年間で20回にも及んだという。その多くは仕事としての意識というよりも、自分が金を払っても撮りたい、という写真家としての初期衝動に突き動かされてのものだった。そして、発表する写真の選択などは鋤田氏に任されていたという意外な話も出た。「発表されなかったものはカッコ悪かったんだなとボウイも悟ったんじゃないですか」と鋤田氏。それだけ深い信頼関係があったのだろう。ボウイという1人の音楽家を生涯にわたって撮り続ける、という覚悟を決めたときの心境なども語られた。

 

勘が良く、読み取りが早く、自分を客観的に捉えることができる冷静さがあり、自分の見せ方をちゃん計算して、いかに従来のイメージを裏切って、新しいボウイを見せていくか考える知性があった。「フォト・セッションはいつもボウイに試されているようで刺激的で面白かった」と鋤田氏は言う。京都の旅館で浴衣姿のボウイを捉えたなにげないスナップショットも、実はボウイなりの計算と演出があってのものだった、というエピソードも語られた。

 

開催中の『DAVID BOWIE Is』に関しての言及も。ボウイ展の意義を総括し「ピカソやゴーギャンを語るように、いずれボウイが語られるようになるだろう」という立川氏の指摘には納得だった。
1時間のトークはあっという間に終了。知的好奇心を刺激されたひとときだった。

 

(写真左:鋤田正義氏  右:立川直樹氏)

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