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いよいよ終了間近、“DAVID BOWIE is” Exhibition Highlights(4)〜ボウイ展のさらなる見どころを紹介! 〜ひょっとしたら見逃しているかもしれない展示をご紹介

ボウイ展の見どころを展示品にフォーカスして紹介する“Exhibition Highlights”。その4では、ひょっとしたら見逃しているかもしれない、細かいながらボウイのクリエイションを象徴する展示品にフォーカスしてご紹介します。

 

 

ジュールズ・フィッシャーとマーク・ラヴィッツがデザインした「ダイアモンドの犬」ツアーのセット模型(1974)

 

Courtesy of The David Bowie Archive Image © Victoria and Albert Museum

 

1974年に発売された『ダイアモンドの犬』でボウイは、グラム・ロック時代の終焉と斬新さ溢れるニュー・スタイルのスタートを告げることになります。アルバムのプロモーションとしてボウイとトニー・バジルが監督・演出を担当した大掛かりなアメリカツアーも遂行。ボウイ本人の綿密な計画に基づいたその豪華なロックンロール・ショーは、ロック劇の先駆けとして今まで見たことがないような豪華なステージセットとミュージカル的演出に彩られたものとなりました。

舞台セットとアルバムはディストピア的な都会の悪を象徴するムードに溢れており、ボウイが愛読し、ミュージカル化を願ったものの遺族の反対で頓挫したというジョージ・オーウェルの小説「1984年」(1949年作品)やウィリアム・バロウズの「猛者(ワイルド・ボーイズ)~死者の書」(1971年)からの引用も多数に及んでいます。(ツアーのライブ映像は「ショウモーメント」でもご覧いただけます)

展覧会ではこの模型のほか、ステージの設計モデルやガイ・ピラートが描いた『ダイアモンドの犬』のジャケット、ツアーの衣装、後にアルバムとステージショーに形を変えたボウイ本人によるミュージカルの絵コンテ案、後述するプロモーション写真のコンタクトシートなどが展示されており、その入魂ぶりを示しています。

 

 

『ダイアモンドの犬』プロモーション撮影時の写真(1974)。撮影:テリー・オニール

 

Photograph by Terry O’Neill  Image © Victoria and Albert Museum

 

過去50年に渡って、ボウイは世界的に活躍する数多くの著名な写真家とコラボレートし、自身の音楽やパフォーマンスから溢れ出るスタイルとエナジーを写真に残してきました。

テリー・オニールが撮った『ダイアモンドの犬』のプロモーション撮影時のコンタクトシートには、餌の肉に向かって飛び跳ねる大きな犬に全く動じずに、コルドベス帽子を被ってリラックスして座るボウイの姿が写されています。コマ送りで動く犬と全く動じないボウイの対比は見事なものです。

展覧会では他にも鋤田正義、ミック・ロック、ブライアン・ダフィー、フランク・オッケンフェルス、ハーブ・リッツ、アントン・コービン、ヘルムート・ニュートン、ジョン・ローランズら錚々たる写真家が撮影した作品が展示されていて、最後のコーナーでは、撮影時に着用した衣装とそのポートレートを一緒に觀ることができます。

 

 

カットアップ技法で作られたアルバム『ヒ―ローズ』収録の「ブラックアウト」の歌詞(1977)

 

Courtesy of The David Bowie Archive Image © Victoria and Albert Museum

 

展覧会では、ボウイがいかに自身のクリエイティブ〜作詞・作曲、レコーディング、プロデュース、衣装デザイン、ステージセット、アルバムのアートワーク等々〜全てのプロセスのアイディア着想から具現化に至るまで積極的に関わってきたかが実感出来ます。ボウイはその制作のプロセスの中で、他のクリエイティヴ・テクニックやアーティストの技法をよく取りいれました。例えば、このウィリアム・バロウズから紹介されたカットアップ技法や、ブライアン・イーノやピーター・シュミットが創り出したカード技法「オブリーク・ストラテジーズ」などをレコーディング時に新しいアイディアやインスピレーションを得るきっかけとして使用していたのです。この他、歌詞関連では、特注したヴァーバサイザーというコンピュータープログラムをボウイが解説する映像や、「フェイム」(1975年)や「ヒーローズ」(1977年)、「アッシュズ・トゥ・アッシュズ」(1980年)など、20曲以上の手書きの歌詞も展示。書き直した後も残る貴重な資料となっています。

 

4回に渡ってお届けしてきたExhibition Highlightsも今回が最後。コラムコーナーでは、この他にも展示をご覧頂く際に参考にして頂けるトピックスが盛りだくさんです。見逃している展示品がないかどうか、ぜひ遡ってチェックしてみて下さい。

 

“DAVID BOWIE is” Exhibition Highlights(1)

“DAVID BOWIE is” Exhibition Highlights(2)

“DAVID BOWIE is” Exhibition Highlights(3)