COLUMN

いよいよ終了間近、“DAVID BOWIE is” Exhibition Highlights(3)〜ボウイ展のさらなる見どころを紹介!〜衣装のあれこれ

ボウイ展の見どころを展示品にフォーカスして紹介する“Exhibition Highlights”。その3では、衣装をご紹介。ボウイ展では60点以上の衣装が展示されているのですが、2点を除いて全て実際にボウイが着用した実物です。実際の衣装をごく間近に見ることができる貴重な機会もこれが最後かも知れません。ぜひじっくりご覧になって下さい。

 

フレディ・バレッティがデザインしたジギー・スターダストのジャンプスーツ (1972)

 

Photo: Courtesy of The David Bowie Archive Image © Victoria and Albert Museum

 

1972年7月6日、ボウイはBBC1の『Top of the Pops』に出演し、アルバム『ジギー・スターダスト』からのファースト・シングル「スターマン」を披露しました。このパフォーマンスこそが、ボウイをスターダムへと押し上げ、ロック・ミュージックと若者文化を永遠に変えた分岐点として今なお語り継がれる伝説の瞬間です。炎のようなオレンジ色の髪とメイク、マルチカラーの衣装に赤いブーツという出で立ちでテレビに出演したジギーは、両性具有性溢れる別世界のルックスで、お茶の間に衝撃を、若者達には勇気を与えたと言います。展覧会では、スタンリー・キューブリック監督の映画『時計じかけのオレンジ』(1971)でドルーグが着ていた衣装にインスピレーションを受けてフレディ・バレッティがボウイが一緒にデザインしたカラフルなスーツとブーツの原物が、天地いっぱいに映し出されるパフォーマンス映像と共に展示されています。

 

 

アレキサンダー・マックイーンとボウイが一緒にデザインしたユニオン・ジャックのコート。フランク・W・オッケンフェルス撮影の『Earthling』のアルバムのジャケットで着用(1997)

 

Photograph by Frank W Ockenfels 3 © Frank W Ockenfels 3

 

デヴィッド・ボウイのスタイルは、常に流行を先取りし、世界中のファッショニスタ達に大きなインスピレーションを与えてきました。奇抜なステージ衣装からスタイリッシュなスーツまで、多くの有名ファッションデザイナー〜山本寛斎、アレキサンダー・マックイーン、エディ・スリマン、ジョルジオ・アルマーニ、ティエリー・ミュグレー、三宅一生ら〜と仕事をしてきており、会場ではそれぞれのデザイナーの衣装が展示されています。

このユニオン・ジャックのフロックコートは、当時まだ駆け出しだったアレキサンダー・マックイーンにボウイが直々に電話をして依頼したもの。マックイーンがサヴィル・ロウで学んだテイラーの技術とユニオン・ジャックに象徴されるクラシックな英国の要素に、因襲を打破する破壊的なパンクの美学が組み合わされています。コートを気に入ったボウイは追って『Earthling』(1997年)のジャケット写真に使用しましたが、その頃マックイーンはまさに時代の寵児となっており、ボウイの先見の明を証明しました。後ろ姿のジャケ写では見ることの出来ない前身頃を直に見ることができるのも展覧会ならではの楽しみです。

 

 

ナターシャ・コルニロフがデザインしたピエロの衣装「アッシュズ・トゥ・アッシュズ」ビデオと『スケアリー・モンスターズ』で着用。撮影:ブライアン・ダッフィー(1980)

 

Photograph by Brian Duffy. Photo Duffy © Duffy Archive & The David Bowie Archive

 

衣装デザイナーのナターシャ・コルニロフは、ボウイと長年一緒に仕事してきたデザイナーの一人。アルバム『スケアリー・モンスターズ』のジャケット撮影やデヴィッド・マレットと共に監督した「アシュズ・トゥ・アッシュズ」のミュージック・ビデオで着用したこのピエロの衣装も、コルニロフがデザインしたものです。“サーカスで最も美しいピエロでなくてはならない”と意図されたというこの細かな装飾が施されたピエロの衣装は、ボウイ手書きの「アシュズ・トゥ・アッシュズ」のミュージック・ビデオの絵コンテと共に展示されています。彼女は他にも、レインボー・シアターのコンサート(1972年)、『The 1980 Floor Show』(1973年)を含むジギー・スターダストのツアー衣装を始め、ステージ・ツアーで着用した水平風の白い衣装などを手がけています。

 

“DAVID BOWIE is” Exhibition Highlights(1)

“DAVID BOWIE is” Exhibition Highlights(2)

“DAVID BOWIE is” Exhibition Highlights(4)