COLUMN

ボウイ展、遂に開催へ!小野島大さんの最速レポートをお届けします!

デヴィッド・ボウイ大回顧展「David Bowie is」プレス向け内覧会に行ってきた。既に同じように先行内覧会を見た各メディアや、幸運にも抽選でいちはやく体験できた一般の方々の感想やレポートが続々とあがっている。どれも評判は上々……というよりは、ほぼすべてが絶賛の評ばかりだ。

 

私は海外先行取材で訪問した昨年秋のイタリアのボローニャを含め、これが3回目の閲覧となるが、それでも十分味わい尽くしたとは到底言えない凄まじい情報量に、改めて圧倒されてしまった。

 

だがその膨大な情報量が手際よく、しかもわかりやすくすっきりと展示・説明されているので、難解さはまったくない。ボウイの幅広い業績、辿ってきた足跡、その思考、創作のプロセス、ヴィジュアルの変遷などが、手に取るようにわかる。入り口で入場者ひとりひとりに渡されるヘッドホンで、展示に対応した音楽/音声が聴けるのも、ボウイの世界を立体的に理解する一助になる。見所は挙げたらキリがなく、おそらく見る人の知識や経験、関心、嗜好や得意分野などによって変わってくるだろう。音楽、アート、ファッション、映像、舞台、現代思想、文学など、ボウイの業績はあらゆるポップ・カルチャーの領域に及んでいるからだ。

 

歴代のステージ衣装や自筆手書き歌詞、ステージ・セットのスケッチや模型、ポスターや契約書、手紙、レアな写真の数々、PVやライヴ映像、楽器、さらにはLA時代に使っていたコカイン用の小さなスプーンや、ベルリン時代を過ごしたアパートのキーに至るまで、300点にものぼる展示物は、よくこんなものを取ってあったなと思うような貴重なものばかり。米国某所にある「ボウイ・アーカイヴ」から厳選された品々と、英国V&Aが、世界中に張り巡らされたアンテナを駆使して集めた貴重な資料が、プロジェクション・マッピングなど最新の技術を駆使し、創意工夫に満ちたやり方で展示されているのだ。見る者のイマジネーションとクリエイティヴィティを刺激する、とびきり濃密な空間である。

 

ざっと見るだけで2時間半から3時間。丹念に見たらたぶん5時間は優にかかるだろう。閲覧の時間制限はないので、一旦中に入れば、あとは一日中でも見ていられる。とはいえ展示ルーム内にトイレはないので、1階にあるトイレで、入場前に済ませておくことをお勧めする。

 

私が見たイタリアの展示に比べると全体に少しスペースが小さいが、なんといっても、すべての展示物に対応する説明文(凄まじい量)、ナレーションなどのほとんどが日本語化、日本語字幕化されているので、圧倒的にわかりやすく、すっきりと理解できる。日本人には絶対忘れられない『戦場のメリークリスマス』に関する日本独自展示も充実していて、これが2,200円(*注)で見られるなら全然リーズナブルだと思う。展示を見終わり、退場した横にあるモニターで映し出されるボウイの映像も、日本独自展示。ボウイの茶目っ気がうかがえる楽しい映像だ。

 

おそらく一回見ただけでは、その情報量や、展示の意味や意義、文脈などを消化しきれない。一旦帰宅し、自分なりに調べて疑問点や不明点を明らかにして、もう一度、二度と展示会に通って確認する。そんな「リピーター」が続出するのではないだろうか。かくいう私も、あと何度か通おうと思っている。

 

さらに隣接する土産物店やカフェも充実。こちらは、展示会のチケットがなくても、誰でも入れる。日本展のみ販売のグッズもあり、数百円で気軽に買えるものから、10万越えのレア物など、ここでしか買えないものがたくさん。日本会場のみの限定アナログ盤(2種)など、たぶん早々に売り切れプレミア化するのは確実なのでお早めに。カフェでドリンクを注文すると、特製ボウイ・コースターがもらえるらしいのでお見逃しなく。

 

なおイタリアでの展示を見た詳細なリポートは、発売中の宝島ムック「DAVID BOWIE」に書いているので、興味のある方はぜひ。

 

少しでもボウイ、UKロック、英国文化、そして20世紀以降のポップカルチャーに興味があるなら、絶対に見るべきだ。始まってしばらくの週末はかなりの混雑が予想されるので、ゆっくり見るなら、やはり平日の昼間だろうか。

 

 

*注:チケットinfo:入場日前日23:59までは前売料金2,200円でご購入頂けます。

写真:Shintaro Yamanaka(Qsyum!)