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映画で観る『デヴィッド・ボウイ・イズ』──スクリーンで観るボウイとその魅力

確認用

 

2016年1月、デヴィッド・ボウイが地球を旅立った。新作『★(Blackstar)』リリース直後、わずか2日後のことだった。新たな局面を開いた新作が驚きをもって迎えられ、ボウイ作品をテーマに舞台化された『ラザルス』がニューヨーク・ブロードウェイで封切られ、そしてその活動の全てを現す大回顧展『デヴィッド・ボウイ・イズ』が世界中で入場者数記録を更新し続ける最中のことだった。今作『デヴィッド・ボウイ・イズ』は、その大展覧会の内側にカメラが入った貴重なドキュメンタリー。膨大な展示の内容、見所、意図をキュレーター自ら詳しく解説しつつ、山本寛斎をはじめとするボウイの周囲に居たキーパーソンらがそれぞれの視点でボウイを語る。今作は回顧展を通してボウイの生涯と活動を振り返る見事なオマージュ作であり、巨大な展覧会についての最高のガイド・フィルムである。名演として知られる2011年の「コンサート・フォー・アメリカ」のステージも収録。

 


 

2013年にイギリス・国立ヴィクトリア&アルバート博物館で開催され、その後世界を巡回し続けた巨大な展覧会がついに日本に上陸する。まさしく待望のものといっていいが、この3年間の充実した活動、そしてあまりにも突然だったデヴィッド・ボウイ自らの肉体の死によって、ボウイをめぐる状況は大きく変化した。それはまるで、全てがボウイの意図どおりだったのではないかと思わされるほどのものだった。この展覧会には、「デヴィッド・ボウイとは誰だったのか?」というテーマが大きく掲げられている。そしてその展示はまさしく多岐に渡る。数々のステージ衣装や作品をつくるためのメモやスケッチはもちろんのこと、生まれたばかりのころに撮られたボウイの写真、成長期の試行錯誤、ロックスターの座を手にしてから受け取ったエルヴィス・プレスリーからの便り、はたまた、ボウイの****(お楽しみに!)をはじめとする、まさかこんなものが?としか言いようのないものまで、この大回顧展と映画が示すのは、デヴィッド・ボウイという存在の驚くばかりの多様さと複雑さであり、その全貌を語ることの難しさである。デヴィッド・ボウイは、自らの身体とメディア、そしてわれわれの意識の関係を絶えず更新し続けるアーティストであった。今作は、決して見逃すことのできない、ボウイからの最後の贈り物のひとつである。

 

★2017年1月7日(土)から劇場再上映!チケットは2017年元旦発売★

 

詳細☞ 日本作品情報HP

 

Photo Credit : Installation Shot of David Bowie is at the V&A is courtesy David Bowie Archive © Victoria and Albert Museum, London