COLUMN

ボウイ生前最後の録音がついにCD化!アルバム『ラザルス』が本日世界同時リリース

『ボウイ展』開催まで3ヶ月を切った。ここにきてボウイ関連の音源が矢継ぎ早にリリースされている。なかでも話題となりそうなのは、ボウイ生前最後のレコーディング音源3曲を収録したアルバム『ラザルス』だ。これは2015年11月から2016年1月にかけてニュー・ヨークのオフ・ブロードウエイで上演されたミュージカル『ラザルス』のオリジナル・キャストによるレコーディング・アルバムである。舞台『ラザルス』は、ウォルター・ディヴィスのSF小説をニコラス・ローグ監督/ボウイ主演で映画化した『地球に落ちてきた男』(1975)に着想を得たオリジナル作品だ。小説/映画から40年後の世界が舞台で、宇宙に帰れず孤独と苦悩と葛藤の日々を送る主人公トーマス・ジェローム・ニュートンを巡る物語である。劇中ではボウイの遺作『★』収録曲も含むボウイの新旧の名曲19曲が歌われ、大きな話題を呼んだ。この作品はこの10月25日から2017年1月22日までロンドンにて再演されるが、それに合わせてのアルバムのリリースである。

 

主演のマイケル・C・ホールを始めとする出演者たちによって歌われるオリジナル・ニューヨーク・キャスト・アルバムも興味深いが、何より気になるのは、併録されるボウイの未発表曲3曲だろう。この3曲「ノー・プラン」「キリング・ア・リトル・タイム」「ホエン・アイ・メット・ユー」は、参加ミュージシャンは『★』と同じダニー・マッキャスリン(sax)率いるクァルテットで、プロデュースはボウイとトニー・ヴィスコンティである。経緯から考えて『★』のレコーディング・セッション時の録音である可能性が高い。これらの曲はミュージカル『ラザルス』で既に使用され出演者たちによって歌われており、ボウイ・ヴァージョンのリリースが待ち望まれていたものだ。

 

その3曲は、『★』の世界観に通底する、ダークでミステリアスで重層的なニュアンスに富んだサウンド・プロダクションが素晴らしい。ダニー・マッキャスリンによるムーディなサックスと囁くように穏やかなボウイのヴォーカルが印象的な「ノー・プラン」、緊張感溢れるハードでヘヴィな「キリング・ア・リトル・タイム」、ボウイらしい朗々としたメロディと凝ったヴォーカル・アレンジの「ホエン・アイ・メット・ユー」とも、きわめてクオリティが高く、死を前にした緩みや気力・緊張感の低下などは微塵も感じられないのである。最後の最後までボウイは誇り高きアーティストだった。そう思わずにはいられないのだ。

 

そして未発表曲を含む1974年から1976年の録音を集めた12枚組ボックス『フー・キャン・アイ・ビー・ナウ? [1974-1976]』も見逃せない。先に出た『Five Years [1969–1973]』の続編にあたるこのボックスは、その時期のオリジナル・アルバム、ライヴ・アルバムのリマスターや別ミックスなどに加え、『ダイヤモンドの犬』の次のアルバムとして予定されながらリリースされなかった幻の作品『The Gouster』を収録しているのが貴重だ。この『The Gouster』を破棄してボウイは『ヤング・アメリカンズ』を作った。両者を聴き比べながら、その意図を探るのも一興だろう。

 

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タイトル: 『ラザルス』

品番: SICP 31020~1   価格:¥3,333(税別)

仕様: 2枚組/初回デジパック仕様/Blu-spec CD2(日本盤のみ)

歌詞・対訳・解説付

発売日: 2016年10月21日(金)

 

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タイトル: 『フー・キャン・アイ・ビー・ナウ? 1974-1976』

品番: WPCR-17491/7502   価格:¥22,000(税別)

仕様: 輸入盤国内仕様 / CDボックス・サイズ 完全生産限定盤

発売日: 2016年10月19日(水)